News for 7月 2010

第一回学会発表 その2 「つばさ」における寺内貫太郎一家イズム (ももちゃ)


~はじめに~

平成のホームドラマ「つばさ」これには良い意味での昭和ノスタルジーが入っている。

昭和とは私たちが過ごしてきたひとつの時代であり、昨今のブームでもある。

ここにNHK朝の連続ドラマ小説「つばさ」を、私の勝手な推測及び妄想を交え、

「つばさ」にある寺内貫太郎一家イズムを検証してみようと思う。

まず寺内貫太郎一家とは何ぞや?

ある時期民放のTBSは「ドラマのTBS」と言われ、数々のヒットドラマを手掛けて来た。

その中でホームドラマと言えば「時間ですよ」「ありがとう」等々、

数えたらキリがないほどの名作があがる。

その中でも大ヒットしたのが、昭和49年に放送された「寺内貫太郎一家」である。

昭和の名プロデューサーと言われた久世光彦が、

小説家向田邦子を脚本に迎え、タッグを組んだ問題作である。

「つばさ」にはこの「寺内貫太郎一家」をオマージュとして、

数々の寺内貫太郎貫イズムを感じる事が出来る。

「つばさ」の良く練られた脚本、そして演出・撮影。

「つばさ」は、この寺内貫太郎一家のフィルターを通して観ると、

今迄が謎だと思っていた事が謎でなくなり、

そしてまた今迄普通だと思っていたシーンが謎となり次々と浮かび上がってくるのだ。

この事はパズルを解くが如く、実に厄介で楽しい事となった。

平成ドラマ「つばさ」はそのドタバタさで観る者を限定させた。

それは紛れもない事実ではあるが、実はそうではないのだ。

この事は追々検証していく事にするので、今回は割愛させていただく。

寺内貫太郎一家(以降寺貫)はさらにその上を行くドタバタ劇であった。

当時の時代を考えてもその内容は今観ても驚く事ばかりで、

ある意味時代の緩さもあったのではないだろうか?

正直一話一話の脚本は、「つばさ」のほうが良く出来ているし、

ディテールも細かく、さすが2009年のドラマと言える。

寺貫に関しては、今観てみると物凄く大雑把に出来ている感じがする。

しかし、逆に内容が単純な分、ストレートに観る者の感情に突き刺さってくる。

視聴者は安心出来るワンパターンが好きなのだ。

「つばさ」がディズニーランドとするならば、「寺内貫太郎一家」は浅草花やしきか。

1990年代昭和から平成・・・、ここに何かのヒントがあるような気がする。

今回は数々の謎から以下の事項について検証してみようと思う。

しかし、本日は時間がないようなので「赤の想い」だけにしよう(笑)

この「赤の想い」も「つばさ」における寺貫イズムのひとつなのだ。

さて、ここで「つばさ」第一回の登場である。

始まってすぐに玉木つばさが台所に来て、ラジオのスイッチを入れる。

この携帯ラジオの色が赤なのである。

なぁんだ、普通の携帯ラジオじゃないか?

と普通は思うが「つばさ」を観た人であれば、

ラジオが以降伏線となってくる事はお分かりであろう。

私はこのラジオの赤色に着目した。

あきらかにこの携帯ラジオは後から塗ってあるのだ。

要は色を塗り替えているのである。

なぜ?

NHKだから特定メーカーと断定出来るのを避ける為?

まぁ、それもあると思うが、では何故赤く塗る必要がある?

別に赤色でなくても良いのではないか・・・。

とかく赤色には覚醒効果があるらしい。

最初に赤いラジオをアップで見せ、しかもここでスイッチを入れる動作をも見せている。

この事により、赤で観る者を覚醒させ、
「これから凄いもの作るぜ」と、

これから前代未聞の「つばさ」が始まる合図をラジオのスイッチとだぶらせて見せて、

「つばさ」に懸けるスタッフの意気込みをも映像に取り込んだのではないか。

ここはもちろん演出の魔術師・西谷さんの戦略でないかとも推測出来る。

赤のイメージとして、

革命・情熱・熱い・燃える・力・勇気・女の子・エネルギー・

勝利・激しい・危険・派手・活発・温かい・そして愛

赤好きな人は

感情表現豊かで前向きな人

激情・興奮・何事にも向かっていく人、らしい。

すべての事柄が「つばさ」にリンクしていると思う。

もちろんこれはこの「つばさ」に懸けた、後藤チーフプロデューサーの想いでもあると思う。

そして赤ちゃんは生まれて最初に認識する色が赤らしい。

だから赤ちゃんと言うのかは分からない。

赤に込められた想いはこれだけではない。

もちろんここにも寺貫イズムは存在している。

寺貫ドラマの中ではいつも赤がアクセントに所々散りばめられているのだ。

左とん平扮するタメさんの赤いとっくりセーターや帽子。
お手伝いさん美代ちゃん役の浅田美代子の、ストライキ中の赤い鉢巻や赤いエプロンや衣装などの色。

そして前作「時間ですよ」の挿入歌赤い風船。

比較的地味なセットの色に対して、わざとと言っていいくらい赤が目を引く。

そして美代ちゃんの「私赤が一番好きなの」と言うセリフまで。

久世ワールド全開である。

赤色を有効に使用している名作はまだある。

皆さんは「幸せの黄色いハンカチ」という映画はご存知だろうか?

高倉健・桃井かおり・武田鉄也出演の1977年10月公開の山田洋次監督作品である。

この映画のラストシーンはこの作品の最大の見せ場で、

たくさんの黄色いハンカチが青空に舞っている感動するシーンである。

えっ、だからこの映画は黄色でしょ?と思うはずだ。

タイトルがずばり、黄色いハンカチという事で、観る者に既に刷り込まれているのだ。

確かに監督がこの黄色を際立たせる為に、映画の中では徹底的に黄色を排除して、

撮影している。

だからこの映画には黄色は最後のシーンにしか出て来ない。

しかし、この映画にはもっと有効に使用されている色がある事に気がついたであろうか?

それが赤なのである。

武田鉄也が運転する赤いファミリアなどはその筆頭であろう。

そのクルマはこの映画の第二の顔となっている事は紛れもない事実であるし、

この映画を観ると赤色が有効に使用されているのが分かるはずだ。

赤という色の持つ効果は、計り知れないものがある。

蛇足ではあるが、この「幸せの黄色いハンカチ」がリメーク版として

アメリカ映画「ザ・イエローハンカチーフ」として、今日6月26日から公開である。

以上の事から

「つばさ」は寺内貫太郎一家をかなり強力に物語のベースとしている事が分かる。

たかが赤い携帯ラジオではあるが、このワンシーンの中からでも、

「つばさ」スタッフの強烈なメッセージが伝わってくるのである。

これから始まる全てのスタッフの見えない何かへの挑戦

怒涛のつばさ嵐の前の静かなさざ波が開始5秒で垣間見えてくるのだ。

「つばさ」の本当の凄さはまだまだこれからなのである。

今後もこの寺内貫太郎一家のフィルターを通した「つばさ」を

徹底的にバラバラにして検証していきたいと思っている。

Edited: 7月 14th, 2010

第一回学会発表 その1 「つばさ」0.5回 (白石美穂)

そもそも、自分のイメージとしては「NHK朝の連続テレビ小説」ってなんか「これぞ日本人」ってのがあってあんまなじめないものがあったんですよネ。
決まりきったモノ・・というより自分の世界観がそうなっちゃったみたい。
そう、当時「おしん」がかなり視聴率が良くってドラマ好きではないわたしまで業務上見ざろう得ない始末・・・まわりの話について行くためにです。
以来、ま、オン・タイムでは無理、でも録画してまでも見る必要がないなぁって、そもそも一週間分まとめて観る時間もない、なので「朝ドラ」とは別の世界に行ってしまった感がありました。

「つばさ」は全国を巡りめぐって最後、埼玉、川越だょってことで、「ふぅ~ん、朝ドラってそうゅーもんなんだぁ」って気が付いたわたしが、どうして、なぜ「つばさ」ごとき(?)に残り半分の人生を捧げる(?)ようになっちゃったかって・・・。
ま、最初は、とりあえず、地元、話のネタということで見てみようかなぁっていう軽い気持ちでいたのでした。
まずは、そのドラマのイメージを作ってしまう「オープニング」「タイトルバック」と行きたいトコなんだけど最初から」本編入いちゃっているぅう・・・し
最近の朝ドラってこーなんだぁ・・・ふぅ~ん、そもそも朝ドラに興味のなかったわたしには当然「パス」。
しばらくして、お決まりの~っ、どこか高いトコからですね?あ、静止画なぁんだぁあ、これがもしかして川越なぁんだぁ。
これ多部ちゃんね、ヒロインだょね、ふぅ~ん、どこかの屋根の上、すべったらね、あぶねーよなぁ・・・あれヘルメットは?・・・あるわきゃねーょ、って位にしか思わなかったんでけども。
そのうち、「なんで?どうして??どうしちゃったの???・・・天下ご免のNHK様~っ!・・・こーゆーのってアリなのぅう~」
脳みその中味がぶっ飛んで壊れていたわたしがいました。

『な・ん・で・安・比・奈・線・な・の・?』

なぜ?どうして?いまさら?過去の遺産の安比奈線なの?って・・・。
川越ってほかにに名所、旧跡いくらでもあるでしょうに。わたしでさえ知っている、喜多院、氷川神社・・・名所案内なんぞをすれは良いと思いましたけど。
このオープニングですと一般ウケは絶対しないなぁって思いましたョ。でも当然わたしは大歓迎でしたけど。
とういのがわたしの「つばさ」との出会いでした。
誰にでもキッカケがありますが、表向きは一応こうゆーことになっておりますので・・・。
でも、「つばさ」にもっともっとハマってしまった理由はこの後どんどんドラマが展開されていくごとに深くなっていってしまうのでした。

その後さっそく、その週の週末にはのこのこ安比奈線に向かったのですょ。
まだ、本編には放送されていない時ですょ。
どんな形で登場するのかもわからないうちに・・・。

ま、安比奈線は大古の昔行ったことがあるので、今回はどんな風に「朽ちて」いるか非常に興味があったんですょ。

まぁ、よく「保存」しておりますね。休止線だから当たり前ですけど。架線柱の倒壊は一本も無く、しかも木の架線柱をコンクリート柱で支えている。なんだかなぁ・・よくわからない・・・・これ、大人の事情っていうのかなぁ?
でもね、今回「全国出演」出来て、ほんと、安比奈線って幸せモノですよ・・・。
暗いイメージのこの手の路線を明るく、前向きに演出していただいた関係方々に深く感謝するしだいであります。

かなり「趣味」に走っていませんか?担当者の方々?
「廃線」(この場合は休止線)って鉄道趣味の中でも、最も精鋭的存在であり、リアルではない、そもそも、んなモノ見て何がノスタルジーだ!って声が世間一般から聞こえてきます。でもね、この安比奈線はマニア(といたします)にとってはパラダイスであり、新宿から1時間足らずで来ることの出来る手軽な所がウケているのでしょうね。

なんで「安比奈休止線」をあえて使ったのはなぜなんだろうと・・・・。
途中で楽しむことを断念してしまった方には残念ですけど、その答えは第155回までとっておく(とっておける)というお楽しみもありましたね。

Edited: 7月 14th, 2010

つばさ短歌 第五週

第5週「運命の人」から。

<第25回(月曜日)>
(キネマにて翔太も交えイブを祝う一同、宮崎ポロナティーボに合格したと言う翔太、おでん鍋でイブを祝う玉木家一同、帰宅したつばさの様子に動揺する竹雄、翌日、元日には翔太を招いたと告げる加乃子、驚く一同を見て詠める)

頬染めてうつむき加減の娘思い和菓子を作る手も空回り

<第26回(火曜日)>
(元日を迎える川越の風景、晴れ着姿で出掛けてしまう万里、意気込む竹雄、ご近所さん訪れサンバダンサーも現れ騒々しいのを一喝する千代、つばさと一緒に宮崎へと願い出る翔太、即座に却下する千代、異議を唱える加乃子を見て詠める)

若き二人の前途を阻む祖母の声に新しき年も波乱の予感

<第27回(水曜日)>
(初詣に出掛け宮崎行き真剣に考えてと告げる翔太、運命の人に出会う事あると思うとおやじ3人に言う麻子、自分は大丈夫と洗物をする知秋、ブースでマイクに向かっても、翔太や千代や加乃子の言葉で頭が一杯のつばさを見て詠める)

祖母も父も母も弟もあとさきの事を考え波立つ家族

<第28回(木曜日)>
(宮崎に行きたい自分川越に残りたい自分どっちかを自分で決めろと言う真瀬、昔の事あれこれやつばさへの思いを翔太に語る竹雄、やはり宮崎に行こうと決めブースから外へ出るつばさ、そこへ雨の中現われる翔太を見て詠める)

自分が無いのかと自問自答を繰り返しようやく決めても雨降り込める

<第29回(金曜日)>
(ずぶ濡れになり戻るつばさ、私がこの店継ぐんだから、腕のいい職人さん養子にしてさ、と叩きつけ千代に平手打ちされるつばさ、バスに乗る翔太に懸命に話す万里、真瀬に促され試験放送のマイクに向き合うつばさを見て詠める)

心決めて伝えれど雨に流されて頬に数多のしずく流るる

<第30回(土曜日)>
(試験放送キューを出す真瀬、マイクに語りかけるつばさ、バスを追いかけ翔太にラジオを渡す万里、試験放送を聞く顔なじみの面々、屋根の上でお酒を飲む万里とつばさ、物干し台の上で帽子とマント姿のラジオの男を見て詠める)

今週は俺の出番が少ないねつばさが自分で語っているから

Edited: 7月 12th, 2010